2016.10.24
メンテナンスで家具を育む~ソープ仕上げ編~
確かな素材であること。
丈夫であること。
飽きないデザインであること。
そして塗装。
愛着をもって末永く使う。
その先にあるのは家具を受け継ぐといこと。
万寿実が家具を通して想う大切な事ですが、
それはデンマークの人々の暮らしと通ずるところがあります。
日照時間が少なく寒い気候のデンマークは、家の中を充実させることで、
暮らしを豊かにし、家の中に人生のシーンを作ってきました。
一人で過ごすのではなく、友人や家族と居心地の良い空間を共有する。
物がたくさんある豊かさではなく、本当に居心地の良い空間がある心の豊かさ。
だから家に置くものは必要なものだけを厳選する。
その中でも共に過ごす家具には特別な思いがあります。
「家具を選ぶのはパートナーを選ぶのと同じ」
こんなことを言ったデンマーク人もいました。
自家製パンや野菜も庭で育てたものをなるべく食べ、
服や物は数多く買うのではなく、少なくても長く使える良いものを厳選する。
そして永く使えるようシンプルなデザインであること。
古くからデンマークは「大量消費・大量生産・使い捨て」ではない
一歩も二歩も先のエコな時代を進んでいるのです。
そんな背景から万寿実で扱うデンマーク家具に多く見られるのがソープ仕上げです。
代々家具を使うことが当たり前だから、家具を自分でお手入れすることも当たり前。
汚れを取ることはもちろん、お手入れすればするほどコーティングが掛かり、
汚れにくくなる自然由来のソープ仕上げをデンマーク家具が選ぶことは自然なことなのです。
万寿実で以前開催したお客様向けのデンマーク家具のデモンストレーション。
万寿実が扱うデンマーク家具の輸入業務をしてくださっているトーベン氏に来日して頂き、
直々に永く使う上で大切なお手入れ方法を実演して頂きました。
サンドペーパーで磨くことも、ソープを泡立てて磨くこともごくごく普通の事。
「新品同様でとっても滑らかな肌触りでしょ!!」とトーベン氏。
万寿実家具では、ソープ仕上げの家具に関しては
お届け前にもう一度お手入れをしてお届けしております。
「ソープ」は元をただせば油。
なので実はオイル仕上げと似たところがあります。
ソープ仕上げは純石鹸を使用し、泡立てる必要があるのでオイルよりは少々手間が掛かる面もありますが、
お手入れをすればするほど石鹸のコーティングが徐々に生まれ、汚れも付きにくくなります。
自分が大切に使いたいとこだわって選び抜いた自分の分身のような家具だから、
いつまでも生き生きとした魅力を持ち続けて欲しい。
ソープでお手入れすることは、愛着を持って一生を共にする自分色の家具へと育て続けることなのです。