アートギャッベの生まれ故郷を訪ねて
アートギャッベの生まれ故郷を訪ねて6
ZOLLANVARIの染色
そもそもゾランヴァリって?
まずゾランヴァリ(ZOLLANVARI) についてお話しましょう。
もともと遊牧民の普段使いのギャッベを厳しい基準のもと
最高品質のものにし、ヨーロッパ各国で高い評価を得るまで育て上げたのが
このZOLLANVARI社です。
技術、感性共に優れた織子さんと信頼関係のもと契約し、
原料のウールに草木染めを行っての供給や遊牧民の支援も行っています。
こちらは御大ゴラムレザ・ゾランヴァリさん。
ハミットさんのお父さんでギャッベの父みたいな方。
ギャッベの価値を見出し、育て、世界へ紹介した立役者。
アートギャッベの豊かな表情を彩る、草木染め
アートギャッベの美しさを表現する多彩な色。この色一体どうやって作られているのか?その秘密を探る。
シラーズ近郊にあるゾランヴァリの染色工場。
そう、織子さんたちが紡いだ毛糸をゾランヴァリでは一度集めてから染めるのだ。
さっそくハミッドさんに案内して頂く。
工場に集められた織子さんの紡いだ糸。紡ぐ段階で色分けされている。
まず入るとたくさんの羊毛が毛の色、太さによって種類分けされて積んであった。
だいたい一束500~700gで染めやすいように束ねているそうだ。
そしてその束ねた羊毛を洗濯。
ここでは表面の汚れ、余分な油分やゴミ(付いている土やくさなど)を取り除く。
この糸の太さがギャッベの目の細かさにつながる。
仕分けの大切さを話してくれるハミッドさん。
次はいよいよ染色工程。
グツグツと煮立っている巨大なお風呂みたいな釜に、
職人さんが束になったウールをポンポンと投げ込み手際よくかき混ぜていく。
この作業をなんとやらせてもらうことに。
が、かき混ぜようと思ったら棒がとんでもなく重い。
棒の先にはどっぷりと浸かったウールが…。
目の前には釜が煮立ち夏場は大変な作業だ。
私はものの数秒でギブアップさせてもらった。
染色時間は色の濃さにもよるが、半日~2日かかるそうだ。
だが赤は特に大変で通常の倍の1日~2日かかる。
そう言われると赤いギャッベが貴重に見えてくるのは私だけだろうか?
天然の草木を粉末にする。色の組み合わせと、染色時間を変えることで多彩な色が出る。
あたたかみがあり、美しく透明感のある色を作り出す秘訣。
そうして丹念に染めた後、色褪せしないよう乾燥させたウールは
色ごとに仕分けされ、織子さんの元に届けられるのです。
アートギャッベの生まれ故郷を訪ねて7へ続く