アートギャッベの生まれ故郷を訪ねて
アートギャッベの生まれ故郷を訪ねて4
遊牧民の地へ!!
アートギャッベのふるさと、ザクロスの山
ザクロス山脈の高原にいるカシュガイ族の所までは、シラーズという高原の街からだいたい3時間ほどかかる。
意外かもしれないけれど、小麦畑や田んぼなどの田園風景の中を車は進み
どんどん山の方へ向かっていく。
山と言っても全て岩がむき出しの山で、
日本の緑が茂った山とは全く違う。
シラーズの近郊の田園風景
途中すいかを買うハミッド・ゾランヴァリさん。私達を案内してくれる途中で。。。
至る所でトラック山積みのスイカを売っている。
こうした風景を遊牧民の織子さん達は見ているのだろうか?
この風景の中で暮らす織子さんの感性ってどんなだろう?
自分の身体で知りたいし、感じたい。
そんな思いの中、
アスファルトのない道をひたすら進むと…
そこは抜けるような美しい青空と広い大地。
まさにこの光景を求めて日本から4000 kmも離れたイランへ来たんだなぁ…
と景色を見入って時間がなんだかゆっくり流れていることを実感する。
すると音のない静寂な空気に包まれていることに気付く。
ザクロスの山の中では風の音以外、全く無音の世界だ。
普段雑然とした音に囲まれて生活していると得られない感覚だ。
カシュガイの人たちは目で見るものではなく、
心で感じるものをギャッベに織り込んでいくのだ。
大地と遊牧民、そして羊、羊、羊、ひつ…
どこまでも青かった空とザクロスの岩肌はやがて、沈む太陽によって少しずつ赤く染められてきた。
すると舞い上がる砂塵、地響きと共に、羊たちの首に付けられた鈴の低い音とメェ~という
羊の鳴き声が聞こえてくる。
羊の群れはカシュガイの男たちに連れられ、放牧から帰ってくる。
男たちが何百頭もの羊やヤギを従えていく様は壮観だ。
この標高が高く、寒暖差があるザクロス山脈で育つこの羊の毛はギャッベにとって最適なものとなる。
アートギャッベの生まれ故郷を訪ねて5へ続く